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心筋炎について
心筋炎は、心筋の炎症と傷害によって特徴づけられる疾患である。心筋炎の正確な発症率はわかっていないが、米国では1年に1,000人の患者が診断されていると推定される。
心筋炎は、通常健常な人に発症する。若年成人の突然死の5~20%が心筋炎によると考えられている。心筋炎には多くの原因があり、ウイルス感染、自己免疫疾患、毒素、薬害などによる。予後は様々であるが、慢性心不全は大きな長期の合併症である。心筋炎と特発性拡張型心筋症は、米国での心臓移植の約45%の原因である。この情報は、あなたが心筋炎を理解するのに役立つはずである。この情報またはあなたの状態について疑問がある場合、あなたのヘルスケア・チームのメンバーと話をして下さい。
あなたの心臓について
心臓は、4室あり、約こぶし大である。通常、心臓は毎分60~100回拍動する。そして、各々の鼓動であなたの体の全体に血液を送り出す。2つの上の心腔は右心房、左心房と呼ばれ、心臓に戻る血液を受ける。静脈は血液を心房へ運ぶ。心房筋が収縮すると、血液は下にあるより大きな右心室と左心室2つの腔に押し込まれる。心室の筋肉が収縮すると、血液は動脈を通して全身に送られる。心室の収縮は、手首または首に感じる脈波を生じる。
Q. 心筋炎とは何か?
A. 心筋炎は、心筋の炎症である。
心筋炎はまれで、ウイルス感染や自己免疫(これは人自身の免疫系が自分の体を襲うことで、例えば関節リウマチや全身性紅斑性狼瘡)が原因である可能性がある。いくつかの自己免疫疾患によって心筋炎が起きることが知られている。種々の感染症、中毒、医薬品の副作用、癌によっても心筋炎がおこる。心筋炎の大部分の症例は、症状がなく、心電図や心筋傷害を検出する血液検査によって発見される。心筋炎がまれであるのは心筋炎の診断、治療法が知られていないことに由来する。
Q. 心筋炎の原因は?
A. 心筋炎は多くのウイルスによると考えられるが、最も一般のものは上気道感染を伴うウイルスである。
さらにまれな感染症(ライム病を含む)によって、心筋炎が起きる可能性がある。心筋炎はコカイン金属毒またはヘビまたはクモ咬創を含む毒物によってもまれにおこる。
心筋炎の大部分は、伝染しない。既知の感染リスクは心筋炎の家族にはない。
Q. 心筋炎の症状とは?
A. 心筋炎の最も頻度が高い症状は、運動または労作時の息切れである。
この症状は通常ウイルス性疾患の7~14日後に発現し、夜間の息切れへ進展し、起座呼吸となることがある。
他の症状は、疲労、動悸、胸痛、胸部圧迫感などがある。下肢の浮腫をきたすこともある。心筋炎はまれに不整脈による突然の意識喪失をきたすことがある。要約すると、患者は以下の症状の全てを経験することもあるが、一部であることや全く症状のないこともある。息切れ、胸痛、めまい、不整脈、突然の意識喪失。
Q. どのように心筋炎は診断されるか?
A. 心筋炎の大部分の症例は、無症状であり診断されない。
しかしながら、症状が出現する時、心筋炎に対する一般の検査は以下の通りである。
・心電図―あなたの心臓の電気的活動は、皮膚にテープで付けられた電極で検出される。この活動は、心臓の異なる部分における電気の波として記録される。
・胸部X線―胸部X線は、心臓、肺と胸部と他の構造をフィルム上に画像をつくる。胸部X線から、医師は、あなたの心臓の大きさと形などを知る。
・心エコー図(エコーと省略する)―心臓のイメージを作ったものであるか、血流量を分析したものである。周波数が高く耳には聞こえない音波が心臓の形や血流を解析するのに使われる。音波は、トランスデューサ(小型プラスチック装置)から、あなたの体へ送られる。音波は内部構造により反射され、トランスデューサに戻り心臓とその構造のイメージを作る。
・また、心臓磁気共鳴像(MRI)走査は、心筋炎を診断するためにされる。MRIは、磁場と電波を使用して画像を作成する。時々、心臓生検は、診断を確認するのに必要となる。
Q. どのように、心筋炎は治療されるか?
A. 心筋炎は一般に心不全の治療に用いられる薬剤が使用される。安静と低食塩食は、しばしば推奨される。ステロイドと他の薬剤も、心臓の炎症を減らすのに用いられることがある。
不整脈がみられる場合、処置は追加的な薬剤投与、ペースメーカーまたは除細動器を必要とすることもある。
治療に関しては、あなたのヘルスケア・チームと話しをする必要がある。
Q. 心筋炎は長期にはどうなるか?
A. 心筋炎の長期の経過はいろいろである。多くの人々は、長期の後遺症なく心機能を回復し症状の再発はない。少数例では心筋炎の後、心機能は改善せず長期の内科治療や、心臓移植を必要とする。
Q. 心筋炎は再発するか?
A. はい、心筋炎は再発することがあり、場合によっては、慢性的に拡大した心臓(拡張型心筋症と呼ばれる)となることがある。心筋炎の再発を予防する方法はない。しかしながら、再発の危険度は低い(おそらく10~15%である。)
Q. 心筋炎を予防するためにすべきことは?
A. 生活様式の変化または治療がウイルス性心筋炎を予防できないことは知られている。心筋炎はまれなので、その原因と効果的処置に関しての情報が限られている。心筋炎は、遺伝するとは考えられていなし。心筋炎の素因となる遺伝子は知られていない。
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巨細胞性心筋炎について
最も重要で死亡に至る巨細胞性心筋炎(GCM)の場合、急速に悪化し予後は他の型の心筋炎より悪い。1980年代と1990年代後期では、症状の始まりから死亡または移植までの平均期間はわずか5ヵ月であった。歴史的にみると、移植リストに名前が記載される前に、多くの患者は死亡した。このまれな疾患についての医学界における情報の欠如は最大のチェレンジの機会を与える。しかし、望みはある。最高の結果のために、正確な早期の診断により長期の生存を可能とする治療を行うことができる。
Q. 巨細胞性心筋炎とはなにか?
A. 巨細胞性心筋炎は、診断するのが困難である非常にまれな疾患である。症状は、単純な疲労から突然死まである。一旦診断が下されると、振り返ってみて、症状と巨細胞性心筋炎を関連づけることは容易である。しかし、これらの同じ症状が、命に別状はない状態でおこりうる。たとえ誰かが軽度の説明できない症状で病院へ連れて行かれたとしても、適切な診断はおそらくされないであろう。心筋炎(心拡大)は、種々の悲観血的な検査によって見つけられる。しかし、巨細胞性心筋炎は心臓の生検によってのみ診断できる。いずれにせよ、心不全のなにかの所見がないと、この種の検査をすることにならない。典型的には患者が心不全を示すとき、疾患が高度に心臓を攻撃しており、唯一のオプションは直ちに治療することである。適当な治療により、死亡率または心臓移植に至る率は、発症の1年後で50%未満である。
Q. 巨細胞性心筋炎の原因は?
A. 巨細胞性心筋炎の原因はわかっていないが、ヒトの組織の観察とルイス・ラット・モデルの実験データから本症は、Tリンパ球を介しておこることが示唆されている。
Q. 巨細胞性心筋炎の原因が知られていない場合、どのようにラットで誘発することができるか?
A. 実験的な巨細胞性心筋炎は、ミオシンで免疫することによってルイス・ラットで発症させることができる。
Q. 巨細胞性心筋炎は新しい疾患か?
A. いいえ。巨細胞性心筋炎は、1905年に最初に記載された。
Q. なぜ、誰もそれについて聞いたことがなかったか?
A. 巨細胞性心筋炎は、非常に珍しい疾患である。従って、多くの医師は、巨細胞性心筋炎に精通していない。
Q. どのように、巨細胞性心筋炎は診断されるか?
A. 巨細胞性心筋炎は、心内膜心筋(心臓)生検でのみ診断することができる。
Q. 生検結果は、他の疾患と混同されることがありうるか?
A. 巨細胞性心筋炎は、心サルコイドーシスと混同されることがある。従って、全ての疑わしい症例は、経験豊かな心臓病理学者によって観察されなければならない。
Q. どのように、心内膜心筋生検は実施されるか?
A. 通常、鼠径部の静脈または動脈、または頚部の静脈から、カテーテルと呼ばれる細い血管が挿入される。カテーテルはX線または心エコー図(心臓のための超音波図)を使用して導かれて心臓に挿入される。その後、生検鉗子と呼ばれる器具がカテーテルに挿入されて、心臓の内部から心筋の小さい部分を取るのに用いられる。
Q. 巨細胞性心筋炎の治療法は、何か?
A. 1つの治療は、患者にステロイドとともに種々の免疫抑制薬を与えることである。もう一つの方法は心臓移植である。免疫抑制療法の目的は、移植までの時間を延長することである。移植を必要とするまでの期間を何ヵ月かまたは何年か延ばすこともある。各々の症例によって異なるので、典型的な時間というものはない。
Q. 巨細胞性心筋炎の移植患者の予想される寿命は?
A. 移植した心臓の25%に巨細胞の浸潤がおこるが、移植後の5年生存率は約71%である。これらの所見を確認するために、muromonab-CD3、シンロスポリンとステロイドによる免疫抑制療法の無作為試験が行われている。
Q. 心臓移植した患者に巨細胞性心筋炎は再発するか?
A. 巨細胞性心筋炎は、約25%の移植患者で再発する。通常、巨細胞性心筋炎ではそれほど重症にはならない。
Q. 移植患者の巨細胞性心筋炎はなぜ重症でないか?
A. 正確な理由はわかっていない。しかし、患者は移植心の拒絶反応を抑えるため免疫抑制薬の投与を受けているので軽症である可能性がある。
Q. 移植患者では、どのような治療が巨細胞性心筋炎に使われるか?
A. 治療はある程度症状によるが、2-3ヵ月の間ステロイド治療となる可能性がある。
Q. どのように、巨細胞性心筋炎は移植患者に検出されるか?
A. 診断は心臓生検によって行われ、心筋生検は移植後の拒絶反応を検出するために通常は行われている。
Q. 巨細胞性心筋炎が移植患者におこる場合、一般的には現れるのにどれくらいかかるか?
A. 3週間後から9年まで、再発の期間の範囲は広く、平均は約1年である。
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基金について
心筋炎基金:使命記述書
心筋炎基金(MF)は2005年12月に設立された、個人的な非営利の組織であり、IRS
501 (c) 3 として承認された。この組織は、医療関係専門家、患者とその家族に正確で最新の情報を提供し、多くの生命を救うことを目的とした疾患の診断と治療の科学的な進歩に貢献する。これらの目的を達成するためには以下のことを計画する。
・市民および医師の両方に、そして、心筋炎、その原因、症状、診断、治療に関与する医師群と市民の両方に対して会議と講演の後援を行う。
・市民、家族と医師が使用するための教材、パンフレットと刊行物を開発する情報センターとして貢献する。
・心筋炎について市民を教育するためのホームページを維持する。ホームページ上の情報は家族と専門家に同じように関連させ、付加的な情報をもつ他のホームページにリンクする。
・疾患についての更なる科学的な知識を増進するため、心筋炎の研究を実行する組織または個人に研究費を提供する。
・全米希少疾患患者団体データベース(NORDが後援する)へのコンタクトとリストを維持する。全米希少疾患患者団体のデータベースにリストされる疾患は、それが全国で200,000人より少なくなければならない。NORDは希少疾患に関する情報のために、主要な民間の情報センターとして貢献する。
MF取締役会について
基金の役員は心筋炎の経験のある医療関係専門家から成る、そして、当疾患に罹患した一般人から構成されている。
レスリー T. クーパー博士-医学部教授
MF理事長はロチェスターのメイヨー・クリニックの心臓専門医である。
そして、心筋炎の治療に長年の関心がある。彼は、心筋炎の教科書
(Myocarditis)-研究室からベッドサイドへ―を編集した。そして、
心筋炎の診断と治療に関していくつかの臨床試験を実施している。
ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンの創設をお読み
下さい。
キャンディス C.
ムース―MF秘書/財務理事
巨細胞性心筋炎で心移植を受け5年生存中である。
彼女は引退した看護婦で、妻であり、子供の母で、祖母でもある。
臓器提供の賛同者かつ講演者で本【有り難い心臓移植】の著者でもある。
www.thegratefulheartdiary.com
を参照。
マリオ C. デング博士
ニューヨーク長老教会派の会員病院/心臓移植研究所の責任者である。
さらに、心不全と移植心臓専門医である。彼は、多くの科学的な刊行物
も書き、つい最近まで国際心肺移植学会の役員であった。
ジェームス A.
ムース
現在、ノースカロライナのリサーチトライアングルパークにある
タレクリス バイオセラピューティクスのプログラム管理の副社長で
ある。
ムース氏は製薬会社で長く様々な経歴を有している。彼は、GCM患者で
あり取締役のキャンディス C. ムースの夫である。
役員のジェフ S.
グラントはコンピュータープログラマーで巨細胞性
心筋炎の患者であり、現在治療中である。グラント氏は本疾患に関する
情報を提供し、患者の不安と経験を共有するために、患者とそれらの
家族のためのチャットルームを提供するgcminfo.org ホームページを
設計して、維持する。彼と彼の妻ボーニは、フロリダに住んでいる。
資金源
MFは、個人的な非営利団体でこのまれな疾患について医師と市民を教育し、患者とその家族を支援するためだけに存在する。資金提供の主要なもとは、会社研究費、慈善家、個人的な研究費と個人を含む。材料のコピーは、費用なして利用できる。MFに寄付される全ての資金は、直接そのプログラムとサービスへ行く。MF年次報告のコピーは、請求することによって入手できる。
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